子どもたちの明るい笑顔のために!虫歯が減った背景と、これからの歯科医療
文部科学省の調査で、子どもの虫歯が過去最小になったという素晴らしいニュースが発表されました。これは、歯科医療の発展と、私たち一人ひとりの意識の高まりがもたらした成果と言えるでしょう。しかし、虫歯予防が進んだ一方で、新たに注目すべき課題も浮上しています。
今回は、なぜ子どもの虫歯が減ったのか、またこれからの課題についてご紹介します。
なぜ子どもの虫歯が減ったの?
予防歯科の普及
定期検診やフッ素塗布、歯磨き指導など、虫歯を防ぐ取り組みが広まりました。学校でも歯磨き教育を実施するところが増え、地域全体で予防歯科の意識が高まっています。
親の意識向上
子どもの健康を守るため、保護者が正しい歯磨き習慣やおやつの与え方、食生活のバランスに気を配るようになりました。
フッ素製品の普及
フッ素が含まれた歯磨き粉や洗口液が一般家庭でも手軽に使えるようになり、歯を強くする効果が広く浸透しました。学校や地域の歯科医療機関でのフッ素塗布プログラムも大きな役割を果たしています。
虫歯予防の次に目指すのは「正しいお口の成長」
虫歯が減少した一方で、新たに課題として浮上しているのが「歯並びの悪化」です。これは、現代の食生活や生活習慣が大きく影響していると考えられます。
柔らかい食べ物の増加
柔らかい食事が増えたことで、しっかりと噛む機会が減り、顎の骨の発達が十分に行われないことがあります。結果として、歯が正しい位置に並ぶスペースが不足するケースが増えています。
口呼吸
鼻ではなく口で呼吸する習慣は、舌の位置を低くし、歯並びに悪影響を与えます。さらに、乾燥した口腔内は虫歯や歯周病のリスクも高めます。
デジタルデバイスと姿勢の悪化
スマートフォンやタブレットの長時間使用により、猫背や前かがみの姿勢が習慣化しています。このような姿勢は顎の成長に悪影響を及ぼし、歯並びを乱す要因となります。
美しい歯並びと虫歯ゼロのために取り組むべきこと
お子さまの歯の健康を守るためには、虫歯予防と歯並びのケアの両立が重要です。
よく噛む食事を心がける、正しい歯磨き習慣を定着させる、子ども自身が正しく歯磨きができるようサポートするほか、仕上げ磨きを習慣化する、姿勢を整える、歯科定期検診に通うなど、早期に取り組むことで、将来の治療負担を軽減できます。
まとめ
文部科学省の調査が示すように、子どもの虫歯は確実に減少しています。しかし、正しい顎の成長と美しい歯並びを保つためには、予防と生活習慣の見直しが必要です。当院では、患者さま一人ひとりに合ったケアプランをご提供し、お子さまの健やかな成長をサポートします。歯に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
参考
文部科学省 令和4年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)https://www.mext.go.jp/content/20231115-mxt_chousa01-000031879_1a.pdf